【独自】混迷の2026年ワールドカップ放映権。FIFAの"電通外し"から一転、博報堂との交渉難航で電通が急接近。迫るタイムリミット

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日本の男子ワールドカップ放映は、長年にわたり電通の独壇場だった。だが2026年大会に向けてFIFAは、「放送パートナーシップの締結では、従来のサッカーファンと、デジタルでスポーツを楽しむファンの両方が視聴できることを目指している」と方針を転換。

放送局とつながりの深い電通でなく、博報堂を新たなパートナーに選んだのは、デジタル対応を進める狙いがあった。「日本で幅広い視聴者にリーチするためには地上波無料放送が不可欠だが、同時に若年層をひきつけるための新たな収益モデルや、動画配信サービスとの革新的なパートナーシップも検討したい」(FIFA)。

4年で放映権収入6200億円を狙う

FIFAは2023~2026年の4年間、放映権収入を42億6400万ドル(約6200億円)へ拡大する目標を掲げている。2019~2022年の放映権収入34億2600万ドルから、約25%も増やす必要がある。

放映権料についてFIFAは「大幅な収入増加の追求ではなく、配信内容を最適化したい」と理解を求める。日本においては、前回大会から大きく提示価格を変えていないという。しかし、2021年の平均ドル円レートが約110円だったのに対し、足元は145円前後で推移している。前回大会の放映権料が2億ドル程度とされる中、そのインパクトは相当大きい。

今年に入り、FIFAが博報堂と交渉を続けてきたにもかかわらず契約に至っていない最大の理由は、やはり放映権料だった。博報堂が交渉先の配信業者らから承諾を得た価格を合算すると、FIFAから提示されたベンチマーク価格に若干届かない。交渉は平行線をたどり、独占交渉期間が切れて電通の参戦を許す形となった。

本記事の詳報版では、電通の巻き返し策やスポーツビジネスの成長戦略、FIFAの焦りについても取り上げています。東洋経済オンライン有料版記事「〈詳報記事〉2026年ワールドカップ放映権。FIFAによる"電通外し"から一転、博報堂との交渉難航で電通が急接近の舞台裏」でご覧いただけます。
前田 佳子 東洋経済 記者

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まえだ よしこ / Yoshiko Maeda

会社四季報センター記者

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森田 宗一郎 東洋経済 記者

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もりた そういちろう / Soichiro Morita

2018年4月、東洋経済新報社入社。ITや広告・マーケティング、アニメ・出版業界を担当。過去の担当特集は「サイバーエージェント ポスト藤田時代の茨道」「マイクロソフト AI革命の深層」「CCC 平成のエンタメ王が陥った窮地」「アニメ 熱狂のカラクリ」「氾濫するPR」など。

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