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「怖いくらい人が来なかった」…上野まで8分、知る人ぞ知る「長屋が残る街」。多くの個人店が廃業、チェーン店に変わった街の“実情”

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大福のドリンクセット(680円)を注文して、タバコに火をつけた。コーヒーは一杯ずつサイフォンで淹れてくれる。

純喫茶必須アイテムの星占い機(筆者撮影)
はまゆうのドリンクセット(680円)

客が途切れたのを見計らって声をかけると、店長の大畑和弘さんが話を聞かせてくれた。

「店は今年で45年目です。地元のお客さんに支えられてなんとかやってるって感じですね」

大畑さんはそう言って笑うが、過去には存続の危機もあったらしい。

「駅の近くにチェーン店が増えて、昔に比べるとお客さんは減ってきてますよね。僕が高校を卒業するころに母親がはじめた店ですけど、駅ビルがオープンした日は今でも忘れられない」(大畑さん)

飲み物をつくる大畑和弘さん(筆者撮影)

町屋の駅ビル「サンポップマチヤ(荒川区荒川7-50-9)」が開業したのは1996年のことだ。カフェやファミリーレストラン、ファストフード、銀行、衣料品店など生活に必要な一通りのものが揃う。

「オープンの当日はね、“えっ”て思うくらい人がこなかった。怖いくらいでしたよ。以前はこの通りにも、うちのような喫茶店が何軒かあったけど、多くは撤退してしまいましたね。うちは家族経営だからなんとかやっていけてる感じかな。まぁとにかく、地元のお客さんに助けられているようなもんですよ。面倒見がよくてあったかい人が多い。“ちょっと手伝って”って言ったら駆けつけてくれる人が何人かいますよ。この街の住みやすさといえば一番はそれだね」(大畑さん)

一時は激しく落ち込んだ客足も、最近は少しずつ回復してきているという。また、この地で新しく商売を始める人も出てきている。

高齢者がいつも「パニーノ」を食べる喫茶店

町屋駅前から都電荒川線の線路に沿って、三ノ輪方面にしばらく歩くと、イタリアンバルの「BARMAN CAFE(荒川区荒川7-11-7)」が見えてくる。歩き回って小腹が空いてきたので、ここでランチをいただくことにした。

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