ウルムチには21時半に到着した。中国はあれだけ国土が広いのに標準時が1つしかなく、外が明るい。到着して機内を出るとき、わんこそばCAに「また明日」と手を振られたので、こちらも「また明日」と返した。
筆者の行き先は、ジョージア・トビリシなので、さすがに明日は会わないだろうと思いながら。
衣装部屋と歯間ブラシのあるホテル
過去に中国で生活していたが筆者も初めて足を踏み入れるウルムチ。少し緊張して飛行機を降りると、「Sanae Uragami」というフリップを掲げた女性が待っていた。これも初めての経験だ。
話しかけたら「ご希望ならホテルを準備しますが」と言われ、一も二もなくお願いしてついて行った。
実は中国南方航空の乗り継ぎ無料サービスを説明するサイトには「1泊無料」と書いてあり、筆者のように2都市に1泊ずつするケースではどうなるかわかっていなかった。だから女性スタッフが手配してくれると知って、かなりホッとした。
職員用のカートに乗せてもらって長い通路を移動する間に、「あの便でトランジットのホテルを利用するのは私だけですか?」と聞くと、「あなたはファーストクラスだから特別です」とのこと。

なるほど、鄭州ーウルムチ便はビジネスクラスが存在せず、ファーストに格上げされてさらに手厚い扱いになっているようだ。
到着ロビーを出て、ホテルの迎えの車を待っていると、女性が紙を出して小声でささやいた。「私のサービスに満足していただけたなら、ここに感謝の言葉を書いてもらえますか」。
はいはい、上司に見せるのかなとペンを取ったら、「英語でお願いします」。こういう遠慮のないところが中国っぽくて好き、嫌いな人もいるだろうけど……。
しばらくしてホテルの車が到着した。車体に書かれた「ATOUR HOTEL」の文字を見て、思わず笑みがこぼれる。
部屋の快適さだけでなく、サービスも折り紙付きで、飛ぶ鳥を落とす勢いで成長中のライフスタイル系ホテルチェーンだ。1泊1万円前後と中国の水準ではかなりお高め(過去記事参照)。
前日のホテルといい、「四つ星に偽りなし」の良いホテルだった(どうしても中国企業の説明を割り引いて見てしまう筆者)。しかも翌日のフライトが午後8時なので、午後5時まで部屋を使っていいという。


筆者一人で泊まるには広すぎる部屋に案内される。なぜか衣装部屋までついている。
この数年の中国資本のホテルの進化は目を見張るものがあるが、その中でもATOURは特に気が利いていて、歯間ブラシまで置いてあった。

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