《歩きスマホでトラブル》悪いのはどっちか――。両者の視点で見るとわかる“本当の問題点”僧侶が説く「争う原因はつくらない」の大切さ

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また、誰かにアドバイスしたり、話をしたりするときも同様です。良い話を聞いたら、すぐ人に言いたくなるものですが、そこはグッと抑えて、「子どもから教わったんですけど」「父からいつも教わったのが」「妻から教わって」など、枕詞として「誰か」を使うのです。

「今か、今か」と満を持して放つ名言ほど響かないものはありません。それよりも、年上の経営者に「父から教わって」と話せば、同じ世代の方であれば「自分のことも良く評価してくれるだろうな」と、好意的に思ってくれるかもしれません。

これは自分の意見を誰かに代弁させるボイスチェンジではなく、あくまでも謙虚な態度の延長です。

ボイスチェンジを使用するのは、何か注意や助言を伝えたいとき、自分の言葉では角が立つ、または受け取ってもらいづらいと考えて、「○○部長がおっしゃっていたのだけど」などと使うものです。

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しかし、ボイスチェンジも含めたコミュニケーションの安易なテクニックは意外に使い方が困難です。1対1のコミュニケーションではなく、複数人の打ち合わせや講演会などに利用するのが適しています。

ちなみに、たまに自分がダシに使われることがあります。「あの人と一緒に仕事してるんですよ」や「あいつは俺が育てた」、そのほか自分の手柄を横取りされるような発言をされた場合です。

そんなときは「違います。私が……」とわざわざ否定するのではなく、「ありがとうございます」「お世話になってます」などとさらっと対応するのがいいかもしれません。余計な一言はトラブルの元です。正しいか間違っているかに関係なく、トラブルを避けるには余計なことは言わないほうが無難です。

愛葉 宣明 法名:釋 明徳 浄土真宗 慈徳山 得藏寺 第23世 代表役員、仏陀倶楽部 代表、著述家

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あいば のぶあき / Nobuaki Aiba

愛知県名古屋市出身。浄土真宗大谷派である名古屋大谷高校卒業後、20歳で独立起業。自動車販売業、美容事業、飲食事業、リサイクル事業と事業を立ち上げる。独立起業後10年を経て自身の中に湧きあがる疑問と向き合うため、事業を整理し、ヨーロッパを中心に世界30カ国以上を旅する中で、多くの宗教や文化、習慣や常識の違いに触れる。「人は生きているだけで毎日が修行」という考えに至り、時代が変化しても自然淘汰されない“在り方”を仏教に見出す。現在は誰もが「得度」し、僧侶になれる機会を提供している。信念は、「人生を変えるのに修行はいらない」。

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