《歩きスマホでトラブル》悪いのはどっちか――。両者の視点で見るとわかる“本当の問題点”僧侶が説く「争う原因はつくらない」の大切さ

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あなたは謝らないといけないのでしょうか。ちょっと気が進まないかもしれませんが、「どこを見て歩いてるんだ!」と因縁をつけられてしまったケースを想定して、もう少し考えてみたいと思います。

・あなたは、スマホを見ながら歩いている
・相手は、前を向いて歩いている

この状態でぶつかってしまったのは、“どちらも”前を向いていなかったからではありません。2人ともよそ見をしていたなら、相手だって「どこを見て歩いてるんだ!」と文句を言うことはないでしょう。 

これが意味するのは、わざわざ文句を言う=わざとぶつかってきた、ということです。なぜなら、前を向いて歩いていたなら避けるか注意できたはずです。

一方、歩きスマホをしていると前を向いていないからそれはできません。

わざとぶつかるのはおそらく、歩きスマホをしている人を見て気に入らなかったからでしょう。何もないのに、わざわざケンカしてやろうと思う人はいません。

不満を抱えている、または我慢している状態で、相手がなんらかの理由(たとえば不機嫌など)でそれに気づけずに、神経をさかなでするような言動をする(この場合の歩きスマホ)ために、トラブルに発展していくのです。

歩きスマホにかぎらず、歩道を歩いていて、前から2~3人の集団が横並びになって歩いていたら、すれ違うときに少しイラッとした経験はないでしょうか。それと同じ心理状態です。相手が謝ってくることがわかっているから、わざとぶつかって文句を言うのです。

でも、前から目の不自由な人が歩いてきたらきっと道を譲るでしょうし、その人に対してイラッとはしないと思います。

では、スマホを見ている人に対してイラッとしてしまうのはなぜでしょうか。もしかしたら、その人にも何らかの事情(許容できる緊急事態)があったかもしれません。

もう1つ想像してみてください。

エスカレーターは本来止まって乗るものですが、階段のように利用する人がいます。あなたもそんな利用をしたことはないでしょうか。それにもかかわらず、誰かほかの人がそれをしているとイラッとしてしまう。

なぜ、そんなふうに感じてしまうのか。あなたの心に聞いてみてください。

ぶつかってくるほうが悪いはず

話を戻すと、相手がわざとぶつかってきたのであれば、「どこを見て歩いてるんだ!」と言われても次のように返すことができます。

「私はスマホを見ていて前を見ていなかったんですけど、あなたはそれを知っていたはずですよね? 避けることも声をかけることもできたのに、わざとぶつかってきたのですか?」

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