《歩きスマホでトラブル》悪いのはどっちか――。両者の視点で見るとわかる“本当の問題点”僧侶が説く「争う原因はつくらない」の大切さ

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もし相手もよそ見をしていたのならお互い様かもしれませんが、そうでないなら、前を向いて歩いている相手が悪い、とさえ言えます。

極端だと思いますか? それとも性格がひねくれている? しかし、この状況を相手の視点で捉え直してみれば、はっきりするはずです。

世間の常識では、スマホを見ながら歩いているほうが悪いとされています。当事者でなくても周囲の人が一言かけてあげれば、その衝突を避けることだってできたはずですが、今の世の中では声をかけるのは簡単ではありません。

それならば、「歩きスマホは罰金いくら」など条例や法律を制定すればいいでしょうか。しかし、まだそこまでではないのでしょう。

このように考えていくと、「本当は避けられたのにわざとぶつかってきたなら、あなたが悪いですよね」と主張するのは理にかなっています。

……さて、このように考えてきたのは、歩きスマホを肯定したり、口ゲンカに勝つ方法を教えるためではありません。

勝ち負けだけで考えれば、上記のように相手を負かすことができるかもしれません。しかし、ケンカして勝つということは、負ける人をつくるということでもあります。歩きスマホをしなければ、相手を不快にせずに済んだでしょう。

ときにはトラブルを避けられず、対応しなければいけないこともあるでしょう。しかし、トラブルは正しければ勝つというものではありません。特にビジネスのこととなると、経済力があるほうが有利に働くことも少なくありません。だから、争う原因をつくらないことが大切なのです。

結果、「歩きスマホはやめたほうがいいよね」となります。あえてこうした当たり前の結論を導くために遠回りしてきましたが、人間関係はとにかくトラブルがつきものです。謙虚さを忘れずに、良心を大切にしていきたいものです。

ホメられたら「○○のおかげです」

少しテクニック的な話になりますが、謙虚な態度を有効に見せる方法も紹介します。特に、誰かにホメられたときに使うと絶大な効果を発揮します。参考程度にご覧ください。

それは、小さな手柄は人にあげてしまうこと。自己評価が高い人は「今の評価が見合っていない」と考えている傾向にあるので、仕事などで少しでも評価されると、自分の手柄として受け取りがちです。

でも、「上司の○○さんのおかげです」「先輩の△△さんにアドバイスしていただいたんです」など、ちょっとした手柄は人にあげてしまうのです。すると、何よりも感じよく映りますし、最初にギブすれば、必ず自分のもとに手柄は別の形で返ってきます。

ちょっとあざといでしょうか(笑)。

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