タイムリミットは7日間!”AIを騙して”大金を稼げ 阿部寛主演の衝撃的マネーサスペンス『キャンドルスティック』

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くしくも本作の舞台は、平成最後の、そして令和最初の年となった2019年。5月1日の新天皇即位に伴い、この年のゴールデンウィークは、4月27日から5月6日まで10連休となり、この連休中は金融マーケットも休止となっていた。

となると連休明けとなる“5月7日”は金融市場の混乱が予想されるはず。そこに目をつけたのが、台湾の最先端シリコンバレーにオフィスを構える半導体メーカーの幹部リンネ(アリッサ・チア)だった。彼女はこの混乱の隙をついて、このタイミングで日本円の相場を数時間だけ激しく上下させて、攪乱させてビッグマネーを掴む、という野心を抱く。

アリッサ・チア
アリッサ・チアが演じた半導体メーカー幹部のリンネ。野心家の彼女は一攫千金を狙って計画を立て、野原たちを巻き込んでいく(写真:©2025CANDLESTICK PARTNERS)

蘇る5年前のハッキング事件の記憶

自らの欲望のためなら手段を選ばない彼女は、銀座のホステスから大企業の副社長にまで昇りつめた野心家だった。そこで台湾のFX会社を経営するおいっ子のルー(リン・ボーホン)に声をかけ、FXを利用した不正なマネー操作を仕掛けようと画策する。

以前と比べ、社会的地位も高くなったはずの彼女がなぜそんな危険な橋を渡る必要があるのかと訝しむルーだが、出資者のリンネには強く出られない。そこで5年前のハッキング事件の当事者だったルー、野原、そして野原の部下だったプログラマーのロビン(デイヴィッド・リッジス)がふたたびタッグを組むことに。

あまりにもリスキーな計画に「次は誰が刑務所に行くつもりだ? また捕まれというのか」と憤る野原。だが、ルーから「株に比べてFXマーケットは段違いに大きい。世界規模のシステムを動かせるのは野原さんだけだ。これで最後のハッキングにしよう」と説得される。

実は野原が5年前に捕まった株価操作事件は、リンネの指示によるものだった。当時、野原が勤務していた半導体メーカー「セミコン東京」の若社長の妻の座におさまっていたリンネは、この会社を乗っ取るために、野原とルー、そして野原の部下だったプログラマー(デイヴィッド・リッジス)に株価操作を命令。野原たちの類いまれなる能力を利用して、見事野望を達成させるも、リンネの裏切りにより、野原ひとりが罪をかぶり、刑務所に服役することとなったのだ。

阿部寛
リンネの指示による株価操作事件によって人生を狂わされた野原。あれから5年、野原はふたたびリンネと対峙することになる(写真:©2025CANDLESTICK PARTNERS)
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