タイムリミットは7日間!”AIを騙して”大金を稼げ 阿部寛主演の衝撃的マネーサスペンス『キャンドルスティック』

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だからこそ、今回の計画のためにビデオ通話で野原たちとの再会を果たしたときも、最初こそ「あのときはごめんなさい」と殊勝な態度を見せたリンネだったが、金銭的に困窮している様子の野原たちに向ける高圧的な態度を隠そうともしなかった。

復讐心に駆られていた野原だが、表向きはリンネのために働くことにする。だが為替相場は5年前とは様変わりし、5年前のハッキング技術では立ちゆかない。今や“AI”という番人が立ちはだかり、セキュリティもより強固なものとなっていたのだ。“AIを騙す”という無謀なミッションのもと、世界各地でさまざまな人々の思惑が交錯し、計画は二転三転していく――。

主演の阿部寛
“AIを騙す”という無謀なミッションに挑むが、国を超えてさまざまな思惑が絡み合い、物語は思わぬ方向に進んでいく(写真:©2025CANDLESTICK PARTNERS)

原作小説を改変し脚本開発に2年以上

本作の原作は川村徹彦の小説『損切り:FXシミュレーション・サクセス・ストーリー』。FXをまったく知らない初心者が上級者になっていく過程を、ひとりの女性の人間的な成長と合わせて描いた物語だったが、本作のチーフ・プロデューサーであり、脚本も担当した小椋悟プロデューサーは、そこから映画オリジナルのストーリーとしてアレンジするという決断を下す。原作者の川村もその案を快諾し、2年以上にわたって脚本を開発することとなった。

FX取引という、投資初心者にとっては難しく見えてしまいそうな世界を構築する上で、脚本開発も紆余曲折あった。当初はオムニバス形式で、各国のパートごとにそれぞれの問題提起をしていくというスタイルも考えられたが、要素が多過ぎて長尺になることは必至。そんな中で、IT大国として名高い台湾のエージェントが本作への参加を表明。物語づくりは大きく動き始めることとなる。

小椋プロデューサーも「台湾パートに密度の高い芝居が集中しているので、人気や知名度よりも演技派の俳優が必要だった。結果的に演技派でありつつ、観客を惹きつけるビッグスターたちが集まった」と振り返る。

主人公のキャスティングは「FXに不慣れな観客であっても、ストーリーと俳優の力で映画全体を牽引してくれる華のある存在」(小椋プロデューサー)ということで阿部に。そして野原を支える杏子に菜々緒。これまでの華やかな存在感は封印し、清楚で地味な役柄、という演出も注目のポイントだ。

阿部寛と菜々緒
共感覚により「数字を色で感じる」野原は、同じ感覚を持つ杏子に、ローソク足(キャンドルスティック)の「数字の流れを色で感じるんだ」と伝える(写真:©2025CANDLESTICK PARTNERS)
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