そこをすっとばして、活動を「必要ない」と思っている人や、事情があって「参加できない」という人にまで無理やりやらせてしまうから、嫌な思いをする人や、つらい思いをする人が出てしまうのです。
「わが子の親から、地域の親に」
最後にもうひとつ、「おやじの会」の注意点として添えておきたいのは「会員限定のサービスをしない」ということです。
PTAも同様ですが、任意団体が学校という施設を使って活動できるのは、「子どもたち全体」のために奉仕する活動をするからです。もし会員だけのための活動をするのであれば、PTAでも「おやじの会」でも、施設使用は原則的に認められないはずです。
実は取材中に一度、「非会員の子どもが参加できないイベントを行う“親父限定”の会」の話を聞いたことがあるのですが、さすがにこれは、悲しくなってしまいました。
母子家庭、祖父母と子どもで暮らす家庭、女性カップルで子育てする家庭等々、父親がいない家庭だって実際にはたくさんありますし、両親がそろっていても、2人ともすごく忙しくて「おやじの会」に参加できない家庭だってあるでしょう。
そういうおうちの子どもを排除した活動を行う会が、ボランティア団体といえるのでしょうか?
「日本おやじの会連絡会」代表の山下さんは、「むしろ、ふだん大人の男性とふれあう機会が少ない家庭の子どもにこそ、『おやじの会』が必要だ」と言います。
「僕が作った『おやじの会』のスローガンは『わが子の父親から、地域のおやじへ』。自分の子どものことだけをやるんじゃなくて、よその子のおやじにもなる。それが、『おやじの会』なんです」
全国の「おやじの会」のみなさんにも、同時にPTAのみなさんにも、ぜひこのような理念で活動していただけたらうれしいな、と思います。
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