
認知症、癌、糖尿病……同時に患うことも
非常に多くの人たちが非常に高齢まで生きる時代には、社会にのしかかる疾病負荷〔病気により失われる生命と生活の質、そして病気による経済的コストなど〕の性格も大きく変わる。
人口のほとんどを若い世代が占めていて、乳幼児死亡率が高かった時代には、社会における最大の死亡原因は感染症だった。しかし、高齢まで生きる人の割合が大きくなると、人々の健康を脅かす要因は非感染性疾患に移っていった。認知症、癌、糖尿病、関節炎、肺疾患・心疾患などである。
WHOによると、現在では、世界の死亡原因の上位10のうち7つを非感染性疾患が占めている(コロナ禍以前のデータ)。そして、およそ4人に3人が感染症以外で死亡している。
非感染性疾患には、2つの大きな特徴がある。第1は、年齢が高い人ほど、この種の病気を患っている可能性が高いこと。第2は、慢性の病気である場合が多いことだ。その病気に長く患い続ける傾向があるのだ。
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