S-4棟は、柄杓のような細長くスリムな形状。手がけたのは、プリツカー賞受賞など世界で活躍する妹島和世さんだ。RC造の10階建て、総戸数は107戸ある。

南側から妹島棟を見る(写真:筆者撮影)
細長く、奥行きの浅いスリムな住棟。1階はほかの住棟と同じく、ピロティで持ち上がり、軽やかな印象を持った。
ガラスの開放的な建物
道路側から見ると、ガラスの面が多くを占め、カーテンやゴザなどで周囲からの視線を遮る工夫も見られる。そして、ランダムに開いた穴が気になった。

妹島棟。建物に穴が開いているように見えるのは住戸専用のテラスだ(写真:筆者撮影)
中庭にまわって住棟を見る。白い棟に張り付くように黒い階段が構成されている。住棟に開いた穴は住戸専用のテラスで、人の姿もちらりと見えた。
時間帯や天候、見る角度によって、射し込む光の強さや切り取られる空が変わり、なんともドラマチックだ。外から廊下や階段を見ると、手すりや柵が見えにくく、視覚的な軽やかさも感じた。
共用廊下に足を踏み入れると、上まで金属の柵が覆っていた。隙間があるからか閉塞感はなく、一方で包まれているような安心感がある。

共用廊下は広くフラットで、車いすやベビーカーでも通行しやすい(写真:筆者撮影)
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