ちなみに、壁面には波形ガラスが使われている。波形ガラスの室内側に着色された素材が取り付けられ、外から眺めたときに色の美しさを感じた。実際に共用廊下を歩いたときには、気持ちも華やいだ。
手すり側には間隔を開けてパンチングメタルのスクリーンが設置されている。眺めを遮りすぎず、でも包まれているような安心感があり、高所の怖さはあまりない。

中庭に入って南側から眺めると、住棟の印象はまた変わる。ガラスの窓が目立つ住戸の間口部を大きく取ったデザインで、飛び出ている波状のコンクリート板はベランダだ。

柵が目立たないせいか、波状の板が浮いているようにも見える。洗濯物を干したり植物の世話をしたり、ベランダから中庭にいる人に声をかける光景も見られた。
海外の建築家も参加した住棟計画
むきだしのコンクリートとブルーの差し色が目をひくS-2棟は、建築家のクリスティン・ホーリィさんが設計した。RC造10階、107戸の住戸がある。

周辺の道を歩くと、住棟のユニークな形が見える。印象的なのは、直線の一部が外へ向かってぐにゃりとカーブを描いた部分だ。
ベランダなどの凸凹や複雑な構造、色の配置などが相まって、離れた場所から眺めると、レゴブロックで作った建物にも見えてくる。ベランダの形が違ったり窓の下にブルーの柵があったり、小さな発見も多い。
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