有給休暇取得率はコロナ禍の巣ごもりで一時低迷したが、全体の平均取得率は71.3%(2023年度)と前回69.0%(2022年度)から回復している(『CSR企業総覧(ランキング&集計編)』2024年版・2025年版より)。
ただ、業種別のランキングを見ると、上位の石油・石炭製品(90.5%)、輸送用機器(86%)、電気・ガス業(82.3%)、鉱業(80.9%)は、80%を上回っている一方、下位の海運業(61%)、建設業(61.8%)、小売業(63.7%)、証券・商品先物(64%)などは、全体平均を大きく下回っており、業種間で隔たりがある。
有給休暇取得率を把握する意味

人的資本(Human Capital)は、単に従来の人的資源(Human Resource)の言い換えではなく、従業員を資本と捉え、投じて増やすことへの期待を意味する。
つまり、人的資本経営の最終目標は、従業員が仕事を通じて知識や経験を積むことで成長し、会社に利益をもたらすことではないだろうか。そのためには、従業員が能力を最大限発揮できるような、働きやすい職場環境の整備は重要な経営戦略だ。
有給休暇取得率は、人的資本経営の経営戦略の進捗を投資家が把握するうえで有用な指標だ。また、働きやすい職場づくりが進んでいることを示す指標は、人材の募集・採用においても重要な情報だ。編集部では今後も調査を通じて有給休暇取得率の動向を追い、ランキングで紹介したいと考えている。
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