そこからは人生が好転した。好きな仕事でちゃんとした給料をもらえるようになり、独身専用コミュニティでは大輔さんと出会えたのだ。コロナ禍だったので最初のうちはオンラインでのおしゃべりだった、と瑞希さんは振り返る。
「お見合いや婚活パーティーではないので、自分を飾る必要はありません。大輔さんは話した感じがとてもしっくりくるし、食べることが大好きで好奇心も強く、90年代の音楽を聴いているあたりも私と似ています」
一方の大輔さんも初対面から瑞希さんを「気に入っちゃった」と明かす。オンラインでも話しやすく、いい雰囲気の人だと感じていた。相思相愛である。
「リアルで会ったら、オンラインのときよりもキレイな人だと感じました。それ以来、僕は彼女一筋ですね」
「脳が揺れるほど」の衝撃告白
そんな大輔さんが重大な告白をしたのは4回目のデートのときだった。と言っても、結婚を前提とした真剣交際の申し込みではない。自分は元女性だ、という衝撃的な内容だ。性同一性障害であり、手術や男性ホルモン投与を経て、戸籍変更をして男性になったという。脳が揺れるほどのショックを受けた、と瑞希さん。
「でも、告白するほうはもっと勇気が要ることだと思い直しました。今までいろんな大変な経験をしてきたはずです。私を信用してくれてありがとう、と思いました」
すでに大輔さんのことが大好きだった瑞希さんの気持ちは変わらなかった。そして、「そのことはわかりました。で、私と付き合うの? 付き合わないの?」と大輔さんに問いかけたのだ。
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