医師からの言葉に対して、つんく♂氏は著書の中で、こんなふうに綴っています。
今までの検査はなんやったんやろか。
やっぱ、あの腫れはおかしかったんや。だって異常な腫れかたしてたもんな。なんで医者はそれを疑わなかったんやろうか。いや、僕がもっと自分を信じて他の病院ででも調べてもらうべきだった。
―― など、考えても仕方がないことで頭がいっぱいになる。
まだまだファンを喜ばせたかった。
何で、俺なんやろう。
どうして、どうして、どうして……。
とても悔しかった。
こうした思いを抱えながら、また奥様から帰国を促されながらも、モーニング娘。のライブだけは目に焼きつけたい気持ちが強く、つんく♂氏は現地にとどまる判断をしました。無心で歌う愛弟子たちの姿、そして盛り上がる大勢の現地ファンの様子を、万感の思いで見届けたそうです。
人への好意は、自分に返ってくる
つんく♂氏の奥様が、夫から言われて「人生観が変わった言葉」として、以下のような言葉を挙げています。
このように肯定的な言葉を普段から使っていると、脳は「ハッピーホルモン」と呼ばれる神経伝達物質のセロトニンを分泌すると言われています。また「好意の返報性」といって、好意を受けたら好意で返したくなる性質が人間にはあるのです。
つんく♂氏の場合も、こういった「感謝の姿勢」が、奥様との強固な信頼関係に寄与したのかもしれません。そしてモーニング娘。のニューヨーク公演成功を病魔と闘うためのエンジンにし、日頃の感謝の精神を家族と生きていくためのエネルギーに変えていったものと想像できます。
毎日新聞の特集記事には、記者からの「後悔していることは?」という問いに対して、次のように答えています。
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