「日本書紀」に記されたスサノオの降臨譚には、なぜ新羅と百済の"2つの異伝"が存在するのか?

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日本書紀には2種類の「スサノオの降臨譚」が異伝として残っているという(写真:papilio/PIXTA)
『日本書紀』といえば現存する日本最古の正史として知られていますが、駒澤大学名誉教授の瀧音能之氏は、その中に記されている「スサノオの降臨譚」について興味深い異伝が存在していると指摘します。
天上世界で狼藉を働き地上に追放されたスサノオは、なぜ朝鮮半島の新羅と百済のそれぞれで降臨したとされているのでしょうか。地理的要素を踏まえた瀧音氏の考察を、同氏の著書『日本書紀が解き明かす 日朝古代史の謎』から、一部を抜粋・編集してお届けします。

紀元前から朝貢した弥生時代の日本人

日本の古代を語る上で、朝鮮半島との関わりを無視することはできない。

中国の歴史書には、中国王朝から倭国と呼ばれた古代日本について記されている。最も有名なものが、3世紀に朝貢した倭国の女王・卑弥呼についての記述がある『魏志』倭人伝だろう。

『魏志』倭人伝は、三国志時代の180年頃から265年の時代について記されたもので、正確には魏・呉・蜀の三国の歴史について記された『三国志』の『魏書』烏丸鮮卑東夷(うがんせんぴとうい)伝の中の倭人条のことであり、朝鮮半島の国々とともに古代日本が紹介されている。

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