「全ての権利が当社にある」「イヤガラセを受けようとも受けて立つ」と発言…八代亜紀さん《ヌード写真付きCD》を“強行発売”した社長の危うさ
発売されたCDの歌詞カードには、「弊社には八代亜紀の歌唱原盤を約250曲、それと多くの写真や肖像動画(プロモーションビデオ)、N氏との同棲期間の複数の資料その他のお宝などを保有しています。今後も第二弾・第三弾として発売していく予定です」などの記載があったようです。
私たちが考えなければいけないのは、八代さんの尊厳を守るためにこの第2弾・第3弾をどう防いでいくのか。また、「差し止めができず、営業的な利益を得られる」という成功体験が続けば、物販・配信を問わず類似事案が出てしまう危険性も考えられます。
たとえば、他の有名人が亡くなったあとに私的な写真や動画をネット上にアップされてしまったら……というケースがないとは言い切れません。
倫理的によくないことでも、法的には問題ない「矛盾」
今回の件でクローズアップされているのは、私的な写真は、当人が亡くなると肖像権やプライバシー権が消滅してしまうこと。遺族にも相続されないため、法的に差し止めできなかったことが、CDの発売につながってしまいました。
ネット上に「前例がなければ新たに作ったほうがいい」「ただちに法改正すべき」などの早期対応を求める声があがるのも当然でしょう。
また、リベンジポルノ防止法も亡くなった人への明確な規定はなく、八代さんの同意がなかったことの立証ができなければ罪を問うことは難しいのが現実。
さらに、八代さんの遺族が「感情を害された」として損害賠償請求はできるとしても、CDの差し止めには至らないうえに、判決までに時間がかかるなどの難しさがあるようです。ヌード写真の公開による、わいせつ物頒布等罪の成立要件の難しさも含め、すぐに現状打破できそうな策は見当たりません。
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