「大学無償化の甘い罠」苦学生を救うどころか、その先には不都合な未来が待っている

日本維新の会の前原誠司共同代表は、高校の授業料無償化が実現したのに続いて「次は大学無償化」に取り組むと先月Xで投稿しました。
一方、昨今の物価上昇などを受けて、全国の大学で学費を値上げする動きが目立ちます。今後、大学の学費は無償化の方向へ向かうのでしょうか?それとも高騰していくのでしょうか?
世界の大学の学費は二極分化
筆者は昨年、大学の学費をもっと値上げするべきだと主張しました(→安すぎる大学の学費により日本社会が失ったもの)。これに対し、東京大学の学生で値上げ反対運動を主導している法念さんから、「学費無償は世界的に認められた権利だ」と反論されました。
そこで、日本の学費のあり方について考える前に、まず世界の学費の状況を簡単に確認しましょう。
法念さんが「世界的に認められた権利」と主張する学費無償化。たしかに世界を見渡すと、教育格差の是正や人的資本の育成を目指して、学費無償化を実現した国がいくつかあります。
北欧諸国の多くでは、国公立大学の自国民の学費は無償です。スウェーデン・デンマーク・フィンランドではEU/EEAからの外国人留学生も無償で、ノルウェーでは世界のほとんどの国からの外国人留学生も無償です。私立大学については有償という国が多いようです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら