担当業務のひとつ、衣装のリースやレンタルを希望するスタイリストの対応では、かつての知人とも"再会"を果たす場面がある。
「芸能界に入ってまもなかった10代の私を知っている方もいて、当時はアシスタントだった方が、いまや大御所になっているんです。対応しながら『あの頃、一生懸命だった人が活躍しているんだな』と、うれしくなります」
目標は「定時退社」のセカンドキャリア
会社員として、表向きに名の通っている芸名「片瀬那奈」と、本名を使い分けている。
そのために、衣装を引き取りに訪れたスタイリストからは「えっ、ここで働いてるの!?」と驚かれる機会も。
ただその後、「昔から知っている仲だし、頼みやすい」として、リピートにつながることもあるそうだ。

「雑誌やテレビなどの現場では、スタイリストさんが衣装提供の会社に足を運んで衣装を引き取り、撮影が終わったら返却しにくるんです。
急に衣装が必要になるケースがあるのもわかりますし、フレキシブルに対応できるようにしていて、『那奈ちゃんだから頼みたいんだけど、今すぐ行ける?』とお願いされて『大丈夫です』とすぐ言えるのは、過去の経験があったからこそです」
かつて培ったつながりも糧に、慌ただしくも充実した日々を邁進する片瀬さん。
目標は「定時退社」で「効率よく仕事をすすめるように」と意識していても、「まあ、毎日定時に帰れるわけではないんですけどね」と、苦笑まじりにポツリと続ける。
いわば「セカンドキャリアを選んだひとり」として、みずからの近況を語る片瀬さんの嬉々とした表情すべてが、「人生に正解はない」という言葉そのものを物語っていた。
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