"マイラー"から悲痛の声!ANAマイレージプログラム改定で「国際線・特典航空券」必要マイル数アップ、JALも改定あり、マイレージの魅力ダウン?

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ANAにかぎらず、マイレージの歴史はほぼ改悪の歴史といえる。ちなみにその最大の理由は、シートコントロールの精度が高くなったことによる。

かつては、国際線に搭乗すると、空席が非常に多いフライトに遭遇することはさほど珍しいことではなかった。だが、近年は各航空会社の残席の予測の精度が向上するようになり、搭乗率がおおむね向上している。

さらにANAについてみれば、インバウンド需要の好調もあり、2025年2月の国際線の座席利用率は82%と、前年を7.8%も上回っている。

特典航空券は、「空気を運ぶくらいならマイレージの特典利用客を乗せたほうがよい」という前提で成り立っていた。だが、有償の旅客だけで席が埋まる便なのに、マイレージ利用の旅客を乗せると航空会社の減収に直結する。

となると、マイレージの特典利用枠を減らしたり、必要マイルを引き上げたりすることはある意味当然の帰結ともいえる。

アメリカ系の航空会社のなかには、事前予告なしに改悪するところも少なくない。その点ANAやJALの場合、改定の数カ月前には告知をしており、残された期間にマイルを消費、または温存する選択肢が与えられている分、救いがあるといえそうだ。

マイルを貯める意義はあるのか?

とはいえ、このように必要マイル数引き上げなどが続くなか、マイルを貯める意義はあるのだろうか。

たとえばANAの東京発ホノルル往復のファーストクラス特典航空券の必要マイルは24万マイルに引き上げられる。だが、同区間の有償航空券は50万6000円(諸経費別)だ。

1マイル当たりの単価は2.1円であり、通常1マイル当たりの単価が1.5円程度といわれることを考慮すると依然として「割安」ではある。

つまり、以前ほどではなくても、ポイントを買い物で使うより、マイルで使ったほうがトクという状況に変わりはない。

課題はどちらかというと、特典の予約が確保できるかどうかという点であろう。マイル数の多寡にかかわらず、予約がとれなければ「絵に描いた餅」にすぎないからだ。

必要マイル数が相対的に少なく、特典も比較的とりやすい区間として、中国路線があげられる。2024年11月末以降、日本人が中国へ観光で訪れる場合、ビザが不要となっているが、以前として日本人のアウトバウンド需要が回復していないことも背景にある。

また、予約のとりやすさという点でいえば、ANAやJALの利用にこだわらず、提携航空会社での特典利用によって選択肢は一気に増えるはずだ。

橋賀 秀紀 トラベルジャーナリスト

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はしが・ひでき / Hideki Hashiga

東京都出身の50代。早稲田大学卒業。「3日休めれば海外」というルールを定め、ほぼ月1回の頻度で海外旅行に出かける。訪問国は135カ国(2025年3月現在)。

著書に『世界一周航空券バイブル』(イカロス出版)など。『週刊東洋経済』で「サラリーマン弾丸紀行」を連載した。Yahoo!ニュース エキスパート。記事の内容についてのお問い合わせ・取材の依頼などについてはこちらまで。

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