「麻布に合格も"大学受験では3浪"」 なぜ落ち続けてしまったのか? 今の仕事にも生きる《浪人の学び》

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こうして併願した慶応の理工学部は落ちたものの、早稲田大学の理工学部応用物理学科に唯一合格をもらったため、3浪で大学生になるという決意を固めました。

「自分の学力が低いというより、これから何年かけてやっても、『また今年のように勉強できないんじゃないか?』と感じていました。当時は4浪もなかなかいませんでしたし、親も世間体を気にするタイプで『早く大学を決めてほしい』という感じだったので、早稲田の理工なら行ってもいいなと思い、進学を決めました」

浪人の経験が今の仕事につながっている

こうして浪人生活を終えた大北さん。浪人してよかったことを聞くと、「他人を見下す性格がなくなったこと」と答えてくれました。

「レールから一旦外れたことで、いろいろな人生があって、それぞれいいことがあると気づけたのは、自分の人生においてよかったことだと思います。また、予備校の授業を受けたことで、予備校業界に行きたいと思うようになりました。浪人していなかったらこの仕事に就いていないという点でもよかったと思います」

早稲田大学に入った大北さんは、塾講師のアルバイトがとても楽しかったため、2年留年をするも、無事卒業します。

卒業後、学校でうまく生きられない子をスクールロイヤーとして支援したいと思い、弁護士を目指します。しかし、上智大学のロースクールに2〜3年通って、体調を崩してしまいました。

その後は塾講師をしながら、教員免許を生かして2つの学校で非常勤講師として指導をしていましたが、いずれの学校でも放課後に生徒に熱心に教えていたことが、逆に学校側に評価をされなかったことで、塾講師一本に絞りました。

さまざまな予備校で指導をした後、現在は成増塾で数学の講師をしながら個別指導や学習マネジメントを行うオンライン学習塾ゴウカライズを立ち上げ、代表取締役をしています。

濱井正吾 浪人 麻布 医学部
現在の大北さん(写真:大北さん提供)
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