高速道路の「ETC」はこれでいいのか? 大規模トラブルで考えるNEXCOの対応とETCの是非

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海外では、ゲートを設けない形で通行料を徴収する仕組みが確立されている路線も少なくない。その典型例が、この「高速バスを使う『台湾観光』が『歴史と今』を感じられる安くていい旅になる」でも取り上げた台湾のシステムである。

台湾、台北市内を走る高速1号線(筆者撮影)
台湾、台北市内を走る高速1号線(筆者撮影)

台湾では、ETCカードの代わりに小型のチップをフロントウィンドーなどに貼るだけでよい。料金所が一切ないため、通行はきわめてスムーズである。

レンタカーでもすべてのクルマにタグが付いているので、レンタカー代を精算するときに通行料金も一緒に支払うことができる。

改めて高速料金とETCのあり方を考えたい

日本でレンタカーを利用する場合は、車載器はついていてもETCカードは自分のものを使うのが原則だ。直接、自分が支払う点が台湾とは異なる(レンタカー会社によっては、カードを貸し出してそこに記録された金額をレンタカー代に上乗せする方法を採るところもある)。

日本で今から台湾のような簡便なシステムに移行するのは、技術的な問題だけでなくさまざまな利権のしがらみなどもあるため、難しいだろう。

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台湾の例を見れば、トラブルさえなければETCは使い勝手がいいシステムかといえばそうとも言い切れないし、そもそもその大前提となる日本の高速料金が諸外国と比べて高い実情をどう考えるのかという問題もある。

今回の大規模なETCトラブルは、改めて高速料金とETCのあり方について考える機会になったといえる。

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佐滝 剛弘 城西国際大学教授

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さたき よしひろ / Yoshihiro Sataki

1960年愛知県生まれ。東京大学教養学部教養学科(人文地理)卒業。NHK勤務を経て、高崎経済大学特任教授、京都光華女子大学教授を歴任し、現職。『旅する前の「世界遺産」』(文春新書)、『郵便局を訪ねて1万局』(光文社新書)、『日本のシルクロード――富岡製糸場と絹産業遺産群』(中公新書ラクレ)など。2019年7月に『観光公害』(祥伝社新書)を上梓。

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