昭和→平成の浮沈を経た「世界のモーターショー」は今どうなっているのか? ジャパンモビリティショー開催直前に解説

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2017年 ジュネーブモーターショー(筆者撮影)

長く「東京モーターショー(TMS)」として親しまれた日本の国際自動車ショーが、前回(2023年)の開催から「ジャパンモビリティショー(JMS)」と名称を変えている。

これは、電動化や自動運転をはじめ、多様な「モビリティ」へと変わりゆく自動車の変革を受けてのもの。世界的にもモーターショーのあり方は、変わりつつある。その背景と世界のモーターショー事情をレポートしよう。

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世界5大モーターショー「昭和→平成」の変化

その国の自動車業界が総力をあげて注力する一大イベントが、モーターショーだ。そのモーターショーに変化の時代が訪れている。その変化の最先端を行くのが日本だ。

日本でのモーターショーは、1954年の第1回「全日本自動車ショウ」に始まり、1964年の第11回開催から「東京モーターショー」と名前をかえつつ、おおよそ2年一度、たくさんの人を集める国内最大の自動車イベントとして実施されていた。

1977年 第22回東京モーターショー(写真:日産自動車)
1977年 第22回東京モーターショー(写真:日産自動車)

昭和の時代には、フランクフルトモーターショー(ドイツ)、パリサロン(フランス)、ジュネーブモーターショー(スイス)、デトロイトモーターショー(アメリカ)を加えた「世界5大モーターショー」のひとつに。国際的なイベントとして、世界中から注目を集める存在となっていた。

ところが平成の時代となり、インターネットが普及するとともに、5大モーターショーの存在感は徐々に小さなものとなってゆく。

東京モーターショーの来場者数でいえば、1991年の201万人を頂点に減ってゆき、2017年には、ついに半分以下の77万人までに落ち込んだ。

2017年 東京モーターショー トヨタブース(筆者撮影)

そこで日本の自動車業界は、2019年の開催にあたり新しい方針を打ち立てた。それが「オールジャパン」を合言葉に、自動車業界以外の産業を呼び込むことであった。

それまでの「クルマが並ぶ」というイベントではなく、日本の最先端技術を集めたテーマパークのようなイベントを志向したのだ。

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