昭和→平成の浮沈を経た「世界のモーターショー」は今どうなっているのか? ジャパンモビリティショー開催直前に解説

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ASEANは、それほど大きな市場ではないが、やはりモーターショーはとても人気のあるイベントだ。ただし、その目的は日欧米と異なる。

ASEANでのモーターショーは、「自動車の即売会」なのだ。展示車のほとんどが量産車であり、クルマの横に立つのはコンパニオンではなく、販社の営業スタッフ。持っているのは、ローンの支払い試算表だ。

2013年 バンコクモーターショー(筆者撮影)

展示スペースの裏には広い商談コーナーがあり、横にはローン手続きを行うための銀行の出張窓口もある。来場者は、モーターショーの現場でライバルメーカーのクルマを見て、触って、価格を比較して、その場で契約を行う。

大きな買い物をする場なのだから、当然、来場者もそれを迎える側も気合満点だ。それは盛り上がるだろう。

2024年 インドネシアモーターショー(筆者撮影)

日欧米とは状況が異なるものの、アジアのモーターショーが、非常に熱気あふれるものであることは間違いない。

最先端のモーターショーを体験してほしい

成熟しきった市場として斜陽傾向であり、世界的な発信の場ではなくなった日欧米のモーターショーの元気がなくなるのは、ある意味当然のことだろう。

ちなみに、ドイツも2021年より開催地をフランクフルトからミュンヘンに移し、「IAAモビリティ」として自動車に限らず、広く産業界からの参加を受け入れている。

ある意味、日本と同様の狙いで、新たな道を歩み始めているのだ。「クルマからモビリティへ」の路線変更という意味では、日本とドイツのモーターショーは世界最先端といっていい。

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そういう意味で、10月30日に開幕するJMS2025は、世界のモーターショーの最先端をゆくものとなるだろう。エンターテインメントという点でドイツと日本を比べれば、どちらかといえば日本の方が上のはず。

ぜひとも世界最先端のモーターショーの楽しさをジャパンモビリティショー2025で実感してほしい。

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鈴木 ケンイチ モータージャーナリスト 

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すずき けんいち / Kenichi Suzuki

1966年生まれ。茨城県出身。國學院大学経済学部卒業後、雑誌編集者を経て独立。レース経験あり。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。

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