昭和→平成の浮沈を経た「世界のモーターショー」は今どうなっているのか? ジャパンモビリティショー開催直前に解説

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

気が付けば、東京モーターショーは日系メーカーばかり、デトロイトはアメリカ・ブランドと日系のみ、フランクフルトはドイツ中心、パリはフランス中心、ジュネーブはイタリアと、その他の小さなブランドばかりとなってゆく。

つまり、インターナショナル(国際的)ではなく、ドメスティック(国内的)なイベントへと意味合いを変えていったのだ。

2018年 パリサロン(筆者撮影)

その結果、各国のモーターショーは開催が苦しくなってゆく。フランクフルトやパリのモーターショーに行けば、行くたびに出展が減って、2010年代終盤には会場がガラガラに……と寂しさを感じたものだ。

デトロイトは、同時期に開催される最新のテックイベントであるCESの勢いに押され、開催時期を毎年恒例の1月から6月に一時変更したほどであった(2025年開催は1月に戻っている)。

また、ジュネーブモーターショーは、自国(スイス)に自動車メーカーが存在していないこともあり、その転落は極端であった。

2016年 ジュネーブモーターショー

コロナ禍を挟んだ2024年は5年ぶりに開催されたが、出展メーカーが激減。2019年開催の約60万人という来場者数に対して、2024年開催は17万人弱にとどまった。

その結果、ジュネーブモーターショーは今後、自国での開催を断念し、カタール・ドーハでのサブイベントに注力するという。

毛色は違えど活況の中国とASEANのモーターショー

苦戦する日欧米のモーターショーに対して、アジアのモーターショーは、まったく逆の道を歩んでいる。

経済成長と自動車の普及に合わせるように、モーターショーは活況だ。

2025年 上海モーターショー(筆者撮影)

今や世界一の自動車市場となった中国には、地元中国だけでなく、日欧米の世界中の自動車メーカーが参加している。まさにインターナショナルな顔ぶれだ。

ただし、発表されるクルマは中国国内向けであり、厳密にはドメスティックな内容だ。それでも規模でいえば、間違いなく世界最大の市場に見合う、世界最大級のイベントとなっている。

次ページASEANのモーターショーは「自動車の即売会」
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事