
止まらない物価高の中、新年度が始まったが、この連載の“現場”である高速道路の通行料についても、さまざまな変更やそれにともなう議論が百出している。
高速料金の通行料は、日常利用している人はもちろん、年に数度の観光や帰省に使う人にとっても気になることであるし、ほとんどの商品やそれを生み出す原材料が高速道路を経由して運ばれている以上、すべての国民に影響が及ぶ身近な問題である。
個別には情報公開されているが、それらを総合的に見てどう考えたらよいのか、3つの要点から整理してみたい。
(1)いわゆる“3連休”における休日割引の見直し
最近、高速道路料金に関して多くの意見が出ているものに「2025年度から、従来は休日割引が適用されていた3連休が適用除外になる」という制度変更がある。
NEXCO各社は、これまで大都市圏を除く全国で「休日にETC搭載車が高速道路を走行した場合、普通車・軽自動車等を3割引にする」という割引料金を設定していた。

多くの人が休みとなる休日に高速道路を利用してもらい、地方の活性化につなげる目的で設定されたものだ。クルマ旅行の呼び水になる料金設定は、NEXCO各社にとっても利用増をもたらす期待もあったことだろう。
しかし、この割引によって休日の渋滞がひどくなることを防ぐため、2023年度から年末年始、春の大型連休、お盆の3つのピーク時の休日割引を廃止に。
さらに2024年度は、9月のシルバーウィークの割引も廃止に。そして2025年度からは、月曜日が祝日になるような土・日・月の3連休も、割引の適用除外にする方針を決定した。
廃止の理由について、NEXCO各社は「観光需要の分散・平準化のため、割引の適用条件を含め、休日と平日のバランスの見直しを進める」としている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら