また、この方式を用いると課金方法も変わってくる。割引区間の走行距離を走行後に計算するため、リアルタイムで割引した料金を課すことができず、一旦、割引のない通常料金を課金したのち、後日確定した深夜走行料金との差額を指定の口座に還元することになる。
ただし、上記はETCマイレージサービスの場合で、法人等が利用するコーポレートカードでは請求方法が変わってくるから少々ややこしい。

現行の制度と比べて、通行料金が安くなるかどうかは、走行時間や走行距離によって変わってくるので一概にはいえないが、旅行の帰路で、これまで深夜割引を狙って0時過ぎに高速を降りていた利用者が、同じ時間に走行するとすれば、22時~0時過ぎの走行分しか割引されなくなるので、より長距離を走っていた場合は、割引される金額は減る可能性が高い。
もちろん、短距離利用の場合は、22時を過ぎていれば、料金所を降りるために0時を待つための時間調整が不要になる利用者も出てくるであろう。
深夜に高速道路を走る主要な利用者は、物流を担う大型トラックなどである。この変更は、運転手の労働環境に大きな影響を及ぼすだけに、こちらも施行後の変化を利用者目線で検証する必要があるだろう。
(3)高速料金一律500円の提案
こうした中、もうひとつ議論を呼んでいるのは、3月21日の参院予算委員会で、国民民主党の浜口誠政調会長が、「高速道路料金を原則一律500円とすること」と提案したことである。
国民民主党は、いわゆる「103万円の壁」の引き上げなどの衆議院議員選挙での公約を実行に移そうと与党と議論を重ねるなど、国民負担の軽減を政策の柱として国民の支持を集めているが、その国民民主党の議員の発言だったこともあり、ネット上で話題になった。

ただし、賛成一色というわけではなく、「500円は安すぎる」「間違いなく渋滞を助長する」、あるいは「口あたりの良い政策を深い根拠もなく言い放つのはどうか」「老朽化が進む中で維持費用が捻出できなくなり、安全が脅かされるのでは」といった意見も目立つ。
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