
4月6日(日)から7日(月)にかけて、NEXCO中日本管内の高速道路、1都7県もの広範囲の出入口でETCが作動しないというトラブルがあり、大きなニュースになった。
NEXCOは謝罪会見を6日夕方に行い、8日には国土交通大臣が記者会見で、「原因の早期究明と今後の対応策も含めた再発防止策の検討および障害対応のマニュアルの整備」を指示する事態にまでなった。
航空会社や鉄道会社の運行トラブルは少なくないが、高速道路のETCシステムが長時間機能しなくなり、大きな影響を及ぼした例はあまりない。
ETC導入から日が浅い2006年1月に、首都高神奈川線と湾岸線の料金所、計30カ所でETCの支払いができなくなったトラブルの例があるが、このときは8時間ほどで解消している。
その意味でも、丸1日半にわたってETCが機能しなかったこの事態を私たちはどう考えたらよいのか。いくつかの論点に分けて整理したい。
あのとき何が起こっていたのか?
はじめに、今回のトラブルの概要をまとめておきたい。最初の発生は、4月5日(土)から日付が変わったばかりの6日(日)0時30分ごろ。
中央道の料金所などで走行する車両のETC情報が読み取れなくなり、バーが開かなくなった。クルマはゲートから動けないため、次から次へと後続車がやってきて列をなしていく。

もしこれが自分だったら、自分の車載器かカードに不具合が生じたと思うだろう。しかし、実際には「ETCを制御する設備に障害が生じた」(NEXCO中日本のHPより)ために通行できなくなっていたのである。この障害はNEXCO管内で一斉に瞬時に起こったのではなく、時間差で障害が拡大していったようだ。
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