2023年1月下旬、当連載で新名神高速道路で大雪のために30kmを超すクルマの立ち往生が発生した「事件」について考えをまとめたが、この冬も高速道路と雪との闘いが大きなニュースとなった。
注目すべきは2つあり、1つは1月24日から25日にかけて、名神高速道路関ヶ原IC付近で発生した大規模な立ち往生。そしてもう1つは、2月5日午後からの首都圏でのことだ。
大雪予報が出ていたこの日、首都高などでは予備的な通行止めが行われ、立ち往生が未然に防止された一方で、一般道で大規模な渋滞が発生した。立ち往生を招いても事前に防いでも、今後への課題が浮上する、ある種“もぐらたたき”のようになっているところに、「高速道路と雪」の難しさがある。
調整を行うNEXCO各社や国土交通省、警察など関係者のご苦労や立ち往生、大渋滞に巻き込まれた方々の苦難にも思いを馳せつつ、今冬の雪との闘いについてまとめてみたい。
事前の通行止めで立ち往生なしでも一般道が大渋滞
まず、「もう1つ」のほうの首都圏での様子からお話ししたい。
2月5日、神奈川県との県境に近い東京・大田区に住む我が家のまわりでも、夕方になって降雪がひどくなり、みるみるうちに道路やクルマのフロントガラスが雪化粧を始めた。ふと、自宅からほど近い中原街道に出てみると、身動きの取れなくなった車列が延々と続いているのに目をみはった。
交通情報を確認すると、首都高3号線とそれに接続する東名高速道路は、静岡市あたりまで昼前からずっと通行止め。首都高4号線とそれに接続する中央道も、山梨県まですべて同様に通行止めとなっていた。
しかも、驚いたことに中央道と並行する国道20号線(甲州街道)も世田谷区から西が午後から通行止め。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら