1週間近く前から「10年に1度の大寒波がやってくる」と言われて繰り返し注意が呼びかけられていた「暴風雪」は、1月24日から25日にかけて、その言葉通りの被害を列島の各地にもたらした。
高速道路もいたるところで通行止めとなり、24日は一時、九州内と中国地方のほとんどが通行止めになるほどの激しい雪となった。そして、以前から繰り返し発生し、そのたびに再発防止という課題が出続けていた“道路上での長時間の立ち往生”が今回も起きてしまった。
もっとも深刻な事態となったのは、新名神高速道路の三重県「菰野IC(こものインターチェンジ)」から鈴鹿峠をはさんで、滋賀県「甲賀土山(こうかつちやま)IC」までの下り線。
25日未明から、34.5㎞にわたって車両の立ち往生が連なり、解消するまでにほぼ丸1日、さらに除雪をして通行再開するまでに半日以上を費やすほどの大規模な混乱となった。
「渋滞」が「立ち往生」に
この寒気の襲来では、その前日の夕方にJR京都駅をはさんだ東西の東海道線(琵琶湖線・京都線)で15本もの列車が本線上に立ち往生、長い人で10時間も車内に閉じ込められるというニュースが駆け巡った。
そのとき、それに重なるように名神と新名神が合流する「草津ジャンクション」の前後で、名神・新名神とも上下線で大幅な渋滞が発生しており、それが筆者の知る最初のこのエリアの高速道路情報となる。
その時点では、京都付近であれだけの雪が降ったことや、大津市から京都府南部へ抜ける京滋バイパスが通行止めとなっていたことから、「その影響の渋滞だろう」「雪が止んでいるから、そのうち解消するだろう」と楽観視していた。
一時は名神の上り線でおよそ50㎞、名神「大津SA」を先頭にした下り線は新名神に連なって70㎞もの長さになっていたが、それほど大ごとになるとは予測していなかったのだ。
しかし、「渋滞」がいつの間にか「立ち往生」という報道に変わり、片側3車線の道路に身動きの取れなくなった大型トラックがびっしりとミニカーのように並ぶ空撮映像を見て、ただごとではなく、2020年12月の関越道や2021年1月の北陸道で起きたような“高速道路での缶詰状態”となっていることを知った。
この長時間かつ長距離の立ち往生の背景には、さまざまな要素が隠れている。
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