この冬も強烈な寒波の襲来で、雪国はもちろんのこと、積雪が珍しい地域でもたびたびの「豪雪」に見舞われた。そして、そのたびに高速道路では、通行止めや立ち往生による渋滞が繰り返されることとなった。
「地球温暖化が進行している」と聞くと雪は少なくなるような印象を受けるが、実際にはそうではない。
海水温が上がって蒸発する水蒸気が多くなり、シベリアからの北西の季節風が日本海の上空を通過する際に膨大な水蒸気をまとうと、日本列島の脊梁(せきりょう)山脈にぶつかって大量の雪を降らす。
「温暖化はかえって豪雪をもたらしているかもしれない」と聞くと、高速道路ユーザーとしては、一層「雪対策」に注目せざるをえない。
立春も過ぎた2月6日(日)の日中時点でも、酸ヶ湯(青森)で429センチ、津南(新潟)で346センチ、大都会札幌市でも133センチと記録的な積雪を観測している。
また、これらと比べると少なく見えるが、名神高速道路や新幹線が通る交通の要衝、関ヶ原(岐阜)の82センチは、観測史上最深の積雪だ。
日本の雪対策は進んでいるが……
日本は世界でも指折りの豪雪国で、そのため道路の雪対策も最も進んでいるといってよい。
例えばヨーロッパで冬に常時雪対策が必要なのは、ドイツ南部、フランス南東部、イタリア北部などのアルプス周辺の山岳地帯と北欧諸国、そして温暖なイメージがあるものの実際には冬の寒さが格別で積雪も少なくないスペインの内陸部あたりに限られる。
これらの地域での雪対策は概して日本よりも大らかで、徹底的に融雪剤をまいたうえで、あとはスタッドレスタイヤ(近年は、オールシーズンタイヤ)で走ってくださいという感じだ。
日本以上に「スキーはマイカーで行く」が当たり前になっているヨーロッパの降雪地域では、スタッドレスタイヤやオールシーズンタイヤがかなり浸透している。そして、雪道でも多くの車は平気で100km/hをはるかに超えるスピードで飛ばしていく。
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