猛暑とコロナウイルス感染拡大の中で開催され、閉幕を迎えたオリンピック「東京2020大会」。この開催期間中、大会の円滑な運営のためにさまざまな交通規制が行われた。
とりわけ注目を集めたのが、首都高速道路の都心部で行われた通行料金の一律上乗せ(6~22時:マイカー等1000円)と、深夜の割引(0~4時:全車種5割引)だ。
開催直前に開会式も含め、ほとんどの会場で無観客での開催が決まったのに「なぜ、こうした規制が必要なのか」という意見があった中で、深く検討した形跡もなくこの「ロードプライシング」(料金の変動で通行量をコントロールする施策)は、ある種の社会実験的な意味合いも帯びながら実行された。
その詳細な検証はこれからだが、首都高の通行量は間違いなく減り、渋滞の回数も大きく減少したことは日々の交通情報でも伝わってきた。
五輪閉幕の翌日に警視庁が発表した速報では、『渋滞の距離と時間を掛け合わせた「渋滞長時間」について、新型コロナウイルス流行前の2019年7月と8月のそれぞれの平日、土曜、日曜祝日の1日平均と、期間中の各日を比較した結果、首都高では17日間すべてで減少し、減少率は68~96%』となっており、かなりの減少であったことがわかる。
しかし、料金所の閉鎖や車線規制により、首都高に乗る際に渋滞や混乱を引き起こしたことも、間違いない。
筆者は大会期間中のある日、東名高速道路を走って深夜0時すぎに東京料金所に戻ったが、通常でも0時からの深夜割引の適用を受けたいトラックなどが殺到するのに加えて、直前の車線の一部が規制されていたことで、いつにもましてひどい渋滞に遭遇した。
五輪担当相が首都高の入り口閉鎖の影響で時間厳守の閣議に遅刻したというニュースも、この施策の影響をわかりやすく伝えるブラックジョークのようなトピックスであった。
また、当然の結果として、並行する一般道も渋滞を引き起こしており、普段なら渋滞しない神奈川1号横羽線と並行する通称「産業道路」の大師橋で、この期間は何度も渋滞に遭遇するなど、筆者自身もこうした体験から大きな影響を実感した。
首都高の通行料金はこれからどうなる?
今回は、イベントに合わせて通行量をコントロールする“料金の変動施策”であったが、国土交通省は今後、こうしたロードプライシングを渋滞の緩和策として、本格的に導入する方針を打ち出した。
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