名古屋と関西を結ぶ高速道路は、米原経由の名神高速道路、四日市・亀山経由の新名神、そして東名阪から名阪国道を経て西名阪へとつながる3本の幹線がある。
雪の多さでよく知られているのは、名神の「関ヶ原~米原」付近だ。通常の冬型の気圧配置であってもこの付近は雪が多く、ここを冬季に通るクルマはたいてい雪に備えた装備を用意している。それと比べて鈴鹿峠の前後には、名神ほど雪のイメージはない。
また、近年起きた長時間の立ち往生も、北陸道・関越道ともに降雪の常襲地帯であったから、その意味では今回、立ち往生が発生したエリアは、事前に危機感をあまり持たれていなかったと言える。
予想以上の雪、予想以上のクルマ
先ほど挙げた3本の幹線のうち、名阪国道は24日の夜から予防的な通行止めが実施されていた。そのため、名古屋方面から関西に抜けるクルマの多くが新名神に殺到したことは、容易に想像できる。そして、身動きが取れなくなったクルマをきっかけに立ち往生が始まり、車列は次第に延びていったのだ。
報道されたドライバーのインタビューを聞くと、高速道路側からの渋滞や立ち往生の情報がないまま、問題がないと信じて当該区間に入ったが、前方車両のハザードランプで初めて止まっていることを知ったという。そのまま10時間をゆうに超す立ち往生に突入していったのだ。
一般道と違い、ロードサイドにコンビニもガソリンスタンドもない高速道路では、水や食料、トイレ、そして暖を取るエアコンやスマホの充電に使うためのガソリンは、簡単に手に入らない。
それらが揃っているのはSA/PAだが、報道では鈴鹿PAに入ろうとしても積雪と横殴りの降雪で入り口を見逃したケースや、PAに入れたとしても、本線に戻る緩い上り坂が除雪されていないために、そこで立ち往生して本線に戻れないケースもあったようで混乱ぶりが伝わってくる。
しかも、立ち往生してから降雪がひどくなっていったため、クルマの前後の雪も深くなるし、山間地で気温が低いため車内の温度も低下していくという、より悪い事態へと進んでいった。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら