先日、「『伊豆の3km』ほか2023年の高速の新開通まとめ」として、東日本の開通予定区間をお伝えした。今回はその西日本編として、愛知県以西で2023年に開通が予定されている高速道路区間を紹介しよう。
まず、中部縦貫自動車道の一部をなす福井県の大野油坂道路のうち、「大野~勝原」間が3月までに開通の予定となっている。さらに、今年秋には「勝原~九頭竜(くずりゅう)」間も開通予定だ。岐阜県とつながる全線開通は、2026年度の予定である。
中部縦貫道は、長野道の松本ジャンクションから西進、安房峠をトンネルで抜けて高山市を経由し、「飛驒清見IC(インターチェンジ)」から「白鳥IC」まで東海北陸道と共用し、油坂峠を越えて福井市で北陸道に接続する、文字通り“日本の屋根”を東西に貫く重要な道路である。
沿線に上高地や平湯温泉、飛騨高山、ひるがの高原、そして小京都の風情が残る城下町大野と観光地が続くだけでなく、首都圏と福井県を結ぶ最短の自動車専用道となる。そのうち、大野油坂道路は、大野市から岐阜県境の油坂峠を結ぶ道で、JR越美北線(えつみほくせん、通称:九頭竜線)とほぼ並行して建設が進んでいる。
南北越美線の未開通を走る
岐阜県側の白鳥IC付近を走る第3セクターの長良川鉄道(美濃太田~北濃間)は、かつては国鉄越美南線(えつみなんせん)と呼ばれていた。名前の通り、この両線はいつか結ばれることを夢見ていたが、国鉄の民営化で幻に終わっている。
その南北越美線の未開通区間を自動車道で結ぶのが中部縦貫道の西側区間なので、両線の国鉄時代を知っている筆者は、それが完成間近だと聞くと感慨深い。この一帯は豪雪地帯として知られており、高規格道路の整備は、冬季の交通確保という面でも力を発揮してくれるだろう。
なお、高速道路ではないが、山を越えて岐阜県と福井県を結ぶもう1つのルートも2023年内の開通が予定されている。岐阜県揖斐川(いびがわ)町と福井県池田町を結ぶ国道417号線の「冠山峠道路」だ。
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