「大雪の通行止め」が露わにした判断の困難さ 246に甲州街道…一般道も閉鎖で大渋滞に

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今回は、雪道に不慣れなドライバーが多い東京での積雪予想ということもあり、高速道路・一般道ともに閉鎖の判断に至ったと国土交通省では説明している。当日は不要不急の外出を控えるよう繰り返しアナウンスされていたが、月曜日で仕事のクルマも多く、しかも朝出かける時間帯にはまだ雪の気配はあまりなかった。

そのため、午後に主要道路が閉鎖されると、中原街道だけではなく246号線、そこに接続する環状七号線(環七)や環状八号線(環八)でもまったく動かないような状況が生じたと考えられる。とはいえ、(大渋滞に巻き込まれた方々には申し訳ないが)この早目の判断により、高速道路での立ち往生という最悪の事態はほぼ回避された。

2月7日、上空から見た大雪後のさいたま市付近(筆者撮影)
2月7日、上空から見た大雪後のさいたま市付近(筆者撮影)

特に首都高では、天気が回復してもその構造上の問題(路側帯がほとんどなく雪の排出の場所がないこと、路線の多くが高架で地熱による雪解けが期待ができないことなど)で、通行止めはなんと50時間以上続き、7日午後にようやく全面的に解除された。多くのクルマが首都高の上で数珠つなぎになっていたら、より深刻な事態になっていただろう。

「予防的な閉鎖」が周知されれば

関東平野南部、特に東京付近は、どんなに冬型の気圧配置が強くても晴天が続く反面、春が近くなると発生する南岸低気圧の通過で雪が降りやすいという、日本でも特異な降雪パターンの地域である。しかも、強い冬型の雪の予想とは異なり、低気圧の通過位置が少しずれるだけで雨になったり雪になったり微妙に変化する。

予想が立てにくい、あるいは予想が当たりにくいだけに、予防的な閉鎖で最悪の事態を避けるという措置は、現時点では有効である。そして、それが広く周知され、たとえ空振りであっても年に何回か「クルマを使うのを避ける」ことや「それによって少し不便になる」ことが社会に浸透すれば、それが「高速道路と雪」の折り合いをつけるきっかけになるのではないか。

これだけ情報が自在に行き交い、天気予報の精度が上がっている時代にあっても、私たちは自然を支配することはできない。

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