もどかしいことではあるが、コロナ禍で在宅でもテレワークである程度の仕事ができることを学んだ私たちは、「危ないときは動かない」ことを原則として大雪をやり過ごすことの大切さを感じる今回の経験であった。
ただし、特に一般道の予防的な通行止めはまだあまり知られていないし、今回も事前の周知はほとんどなかった。もちろん、周知をしても意に介さず、日常の行動パターンを変えない人もいるだろうが、やはり「一般道の幹線道路も通行止めの可能性がある」と知れば、運転を控える人は大幅に増えるだろう。
またも大規模な立ち往生が発生
一方で、大規模な立ち往生が発生したのが、名神の関ヶ原IC付近である。1月24日午前9時ごろ、関ヶ原IC付近で大型トラックが立ち往生したのをきっかけに、上り5.5km、下り6.6km、あわせて770台あまりが高速道路上に滞留した。
自衛隊も出動し、懸命の除雪作業を行ったものの、立ち往生が解消されたのは19時間後で、小さな子どもが体調不良で救急搬送される事態にもなった。
このニュースでは、いくつかの局のキャスターが「関ヶ原は雪国ではなく、雪に慣れていない」というようなコメントをしていたが、幼少時代を愛知県で過ごした筆者からみれば、関ヶ原は東海地方でも特異な「雪国」だという認識である。
冬型の気圧配置が強まると、それまで晴れていた濃尾平野に雪雲が流れてくる。その方角は名古屋から見て北西、まさに東海道新幹線の京都方面の延長線上だ。養老山地と伊吹山の間がぽっかり谷間になっているのが見え、雪雲はそこから流れてくる。そう、その谷間が関ヶ原なのである。
名古屋では5cm程度の積雪でも、岐阜に来ると10cm、大垣で15cm、そして関ヶ原では30cmを超えるようなことは、幾度となく経験してきた。要するに、関ヶ原は冬型の気圧配置が強まれば雪になりやすい「雪国に近い気象条件下」にあり、今回も降るべくして降った雪だと言える。
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