900万個のおむすびが3週間で売れた!ファミマおむすび「大谷翔平キャンペーン」を成功に導いた緻密な計算式とは?
①大谷選手の話題化ではなく、おむすびの本格感の強化。②Not only 新商品キャンペーン、But also 全体のブランディング。③KVファースト、PR/SNSセカンド、CMサード。すべてはコピー起点。
順を追って説明します。まず、「①大谷選手の話題化ではなく、おむすびの本格感の強化。」です。

大谷選手にかぎらず、著名なタレントと広告契約をした場合、契約自体がニュースになるケースは多いです。LINEニュースで、たびたび大谷ニュースが流れてきますよね。
「大谷選手だけが切り抜かれる」を回避
一方で「結局、何の商品の広告なのか?」が、記憶に残らないケースも少なくありません。タレントニュースの1つとして消費されてしまい、肝心の企業ブランドや商品の訴求に落ちていかない話題化。これを徹底的に回避することを目指しました。
つまり、今回のキャンペーンの映像や静止画の主人公は、「大谷選手」ではなく、あくまで「おむすび」であること。さらに細かくいえば「本格的なおむすび」だという印象を、本格的(すぎる)アスリートの大谷選手で強化するということ。これが今回の広告の最重要課題だったと言い換えることができます。
具体的にいえば、キービジュアルでは大谷選手だけでなく、商品やコピーに目がいくようにして、メディアやSNSで「大谷選手だけが切り抜かれる」ことがないような工夫が求められました。
この考え方は、のちの項目でも詳細を説明しますが、キービジュアルやCMだけでなくPR、SNSなどにおいても一気通貫されています。
続いて、「②Not only キャンペーン、But also ブランディング。」についてご説明します。

3月のキャンペーンでは、期間限定の新商品「ぼんご監修のおむすび」が目玉商品でした(ぼんごは東京・豊島区の大塚駅前にある、行列のできるおむすびの人気店です)。さらにすでに展開されている「大きなおむすび」のリニューアルもニュースの1つです。
一般的な期間限定の商品キャンペーンでは、対象商品の売り上げだけにスポットライトが当たります。しかし、ファミリーマートでは、期間限定の商品以外にも、定番商品も多数販売しています。これらの商品の売り上げにつながることが、真の意味でキャンペーンの成功となるわけです。
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