900万個のおむすびが3週間で売れた!ファミマおむすび「大谷翔平キャンペーン」を成功に導いた緻密な計算式とは?

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2月27日の記者会見では、大谷選手とのアンバサダー契約を主たる要素とはせず、あくまでキャンペーンの発表をメインとした構成としました。大谷選手のビジュアルを発表する際にも、大谷選手だけが露出するのではなく、巨大なおむすびが割れて、その中から等身大パネルが登場するという演出を行っています。

また、実際の記者会見のセッティングと、大谷選手のコメントムービーの環境が、デザイン上リンクすることで、キャンペーンの一体感を演出しています。これらの工夫で、大谷選手が出演しない会見だったとしても、メディア露出上のマイナス面をおさえる狙いがありました。

Xのアルゴリズム上で有利になるような工夫も

SNS上でのキービジュアルの公開の際も、「4Kで読み込むと、お米の一粒一粒まで見えます」といった最新のミームを取り込むことで、Xのアルゴリズム上で有利になるような工夫を凝らしました。

https://x.com/famima_now/status/1894960650167734590

2つ目の山は、商品発売のタイミングです。

打線クイズキャンペーン(写真:ファミリーマート)

記者会見で新商品やリニューアルの情報を解禁してから、1週間弱経った後、店頭での商品の発売を予定していました。このタイミングまでテレビCMを公開しないことで、話題化の山を記者会見に加えて1つ増やす狙いがありました。

さらに同日、CM撮影時に大谷選手が実際に、ファミマのおむすびを9つ試食し、「打線を組んだ順番をあてる」クイズキャンペーンを開始。名付けて「大谷選手が選んだ最強おむすび打線クイズ」です。特設サイトから順番を選択し、Xにハッシュタグをつけて投稿することで、このクイズキャンペーンに参加することができます。

そして、大谷選手の背番号17にかけて、QUOカード17万円分が1名様に当たるという形式に。しかし、当選確率は9の階乗分の1なので、36万2880分の1……!

この異常な難易度がフックとなり、SNS上でも、TVメディアからも注目いただくことができました。SNS上では、小出しにヒント動画を公開し、数百万impの注目を集めることにも成功しています。ユーザーの皆さんが「何か手がかりを得たい」という気持ちで、何度も映像を観てくださったことで、Xのアルゴリズム上有利になったのではないでしょうか。

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