900万個のおむすびが3週間で売れた!ファミマおむすび「大谷翔平キャンペーン」を成功に導いた緻密な計算式とは?

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「大谷選手ファミマおむすび割」を実施中(写真:ファミリーマート)

3つ目の山は、シーズン開幕のタイミングです。

新商品の発売から約1週間後、さらに新商品を発表。これと同時に、「大谷選手ファミマおむすび割」というキャンペーンをスタートしました。内容は「大谷選手がホームランを打つ」or「勝利投手」になると、おむすび全品に使える50円引きクーポンを、先着1万名様にプレゼントするというものです。

大谷選手は、東京シリーズのプレシーズンゲーム初戦からホームランを打ちましたので、Xで実際にクーポンが発行されました。狙い通り、クーポンは1万名様すべてに配布されています。

「大谷選手が打つと、ファミマのおむすびが割引になる!」という純粋想起を、今後のキャンペーンを通して浸透させていければと考えています。

テレビCMで工夫をしたこと

さて、いよいよ「KVファースト、PR/SNSセカンド、CMサード」のうちの第3の矢、テレビCMの話になります。テレビCMは3月4日から放映を開始しました。

大谷選手がアメリカで記者会見(写真:テレビCMより)

第3の矢といっても通常のマーケティングであれば、TVCMは最もリーチの取れる重要なメディアです。なので、気を抜くことは許されません。

TVCMの企画で重要なのは、キービジュアルとの連動性です。映像の記憶が、店頭でリンクして初めてユーザーの行動に影響が生まれるからです。
今回はシンプルに「大谷選手がアメリカで記者会見」をするという企画としました。

記者会見をしている姿は大谷選手らしく、キャンペーンの登場感もあります。そして、海外のオフィシャルな場で「おむすび」を両手に持って、食べていく様子は、映像としてインパクトがあると考えました。

店頭で展開するキービジュアルと同じイメージに(写真:テレビCMより)

とくにラストカットは「おむすび二刀流、解禁。」のコピーと、大谷選手が両手におむすびを持つポーズで締めています。これは店頭で展開するキービジュアルと印象をリンクさせる狙いがありました。

ナレーションでは、過去に野球の解説番組を担当しており、「鬼滅の刃」などでも活躍する人気声優の日野聡さんを起用。野球解説風の勢いのあるレポーターを演じていただき、CMのインパクトと「本格感」を強化しています。

次ページ映像の「本格感」を強化
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