900万個のおむすびが3週間で売れた!ファミマおむすび「大谷翔平キャンペーン」を成功に導いた緻密な計算式とは?

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キャンペーンのキービジュアル。大きな2つのおむすびが印象的だ(写真:ファミリーマート)
3月に始まったファミリーマートの「おむすび二刀流」のキャンペーン。話題になっただけでなく実売に結びついたキャンペーンだ。広告クリエイティブを担当したCIRCUS.incのクリエイティブディレクター、小竹海広氏に舞台裏を明かしてもらった。

クリエイティブディレクターの小竹海広です。「900万個のおむすび」と、いきなり大きな数字が記事タイトルとなっております。実際にファミリーマートでは、3月4日から25日の日販におけるおむすびカテゴリーの売り上げは、前年同月比で「120%」を達成することとなり、同期間の売り上げは900万個になります。

大前提として、売り上げというものには、商品開発や流通の影響力など、マーケティングやクリエイティブ以外のパラメーターが多く存在します。

その前提があって、ということになりますが、このコラムでは、大谷翔平選手をファミリーマートのおむすびアンバサダーとして起用したプロジェクトの初期から「事業会社と広告代理店は、どう二人三脚するべきか?」「どのように今回の広告クリエイティブが生まれたか?」をふりかえりたいと思います。

なお、本記事はファミリーマート・マーケティング本部の橋本剛氏との共同執筆でお届けします。

なぜ大谷翔平選手を起用したのか

すべては、世界No.1の野球選手である大谷翔平選手を広告キャンペーンで起用することから始まりました。大谷選手を起用することで、おむすびという商品の「本格感」を強化する狙いがあったからです。

投資額は当然、非常に大きなものになります。そんな大きな投資をした以上、マーケティング・クリエイティブの担当者としてはプレッシャーは大きいものです。逆に「こんなセットアップで話題性がなければ…」「商品が動かなければ…」と、冷や汗を1リットルかける場面でもありました。

野球で例えるならば、3塁とも味方走者で埋まっている「満塁ホームランのチャンス」で、打順が回ってきてしまった状況でしょうか。

今回、まずは明確な戦略的方針を3つ立てました。

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