「私たち業者はこうなってしまった理由を知っているじゃないですか。だから、責めづらい。プロセスを無視して結果だけを見れば、今回の方は論外かもしれません。非難されるべき人なのかもしれないですが、誰彼構わず非難していいわけではない。
離婚を前提に結婚をしないように、別れを前提にペットを飼わないですよね。その後、何が起こるかわかりませんし、飼う前に起こりうることをすべて考えるなんてできないはずです」

家主はボロボロと涙を流した

では、このゴミ屋敷で起きたことは仕方なかったのだろうか――。
「もし自分の身内がペットをこんな状態にしていたら、私本気で怒ります。『仕方がなかった』で済む問題ではないことはみんなわかっています。
でも、私の立場では、解決方法を提示してこれからどうするかを考えてあげることしかできないし、それが役目です。ちゃんと非難してくれる身内と、『今回は仕方がなかった』と先を考えてくれる人。この両者がいて初めて問題は前に進むんです。ただ『仕方がない』わけはないんですよ、絶対に」

ペットのいるゴミ屋敷に限らず、この両者が揃わなかったことで当事者が悩みの中でうずくまっている問題は多々あるだろう。さらに言えば、両者ともに不在で孤独に苛まれているようなケースもある。
妹が病室で「しんどかったやろ」と声をかけると、家主はボロボロと涙を流したという。

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