猫にエサをあげにいく生活は2年以上続いた。その間、妹は家主と月に1~2回は外で一緒にご飯を食べていたという。しかし、喘息の悪化が進んで入院に至るまで、家の状況については一切言ってくれなかった。
「姉はうつとパニック障害を持っていましたが、見た目や喋り方ではまったくわからない人なんですよ。元気に笑って話してくれていたんですが、入院したときに初めて『お願いしたいことがある』と。すごく苦しかったと思います。肺炎球菌にも感染していましたから」(妹)
家主からの「お願い」は、「猫にエサをあげにいってほしい」というものだった。
そして、妹が5年ぶりに家に入り、家が糞尿まみれになっていることが発覚。とてもじゃないが自分で片付けられるレベルの汚れではなく、イーブイに依頼をすることになった。

「ペットがいるゴミ屋敷」はよくあるケース
片付けの現場に立ち会えない家主の希望は、「家の現状を子どもたちに知られたくない」。よって、3人の子どもたちには何も伝えず、秘密裏に片付けはスタートした。ゴミやモノ自体はそこまで多いわけでないので、ひたすら猫の糞尿や散乱したトイレの砂を掃いていく。
素人目に見ると、ここまでペットの糞尿で汚れているゴミ屋敷は稀有な現場なのではと思う。しかし、この現場にも片付けに入ったイーブイ代表の二見文直氏は、「ペットがいるゴミ屋敷は珍しい存在ではありません」と言う。


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