「猫は犬ほど人と絆を結べない」わけではなかった 「猫に対する見方が変わりつつある」と研究者
(前記事)「猫と犬どちらがペットに最適?」猫研究者の答え
猫の社会的知性
これまでペットの研究といえばほとんどが犬に関するもので、猫の研究は非常に遅れていました。
猫はもともと野生の近縁種の子孫ということで、犬に比べると社会性や適応力が低いというレッテルを貼られてきましたが、最近では猫の社会的スキルが犬に匹敵することが次々と示されています。
研究者たちは長い間、猫は犬のようには飼い主と絆を結べない、人間の考えを共有することもできないと考えていました。しかし2017年以降、オレゴン州立大学の猫専門の動物行動科学博士クリスティン・ヴィターレによる画期的な報告が多くの主要メディアに紹介されました。
『ニューヨーク・タイムズ』紙は〝猫は人間が好きらしい!〞、『ワシントン・ポスト』紙は〝衝撃! エサやおもちゃより人間が好きな猫もいる〞、『ナショナルジオグラフィック』誌は〝あなたの猫はエサよりあなたを選ぶ?〞と書き立てました。
ヴィターレ博士自身も猫を4匹飼っていますが、頭がおかしいと言われたことはないそうです。飼っている猫が自分と交流したがっていることには前から気づいていて、2017年には猫のほとんどがエサやおもちゃよりも、人間と過ごしたがることを実証しました。
また2019年には、人間がどれだけ注意を払うかによって行動を変えることも発見。一緒にいればいるほど猫は愛情深くなります。別の研究によれば、猫は人間の名前を覚えることができるそうです。