「猫は犬ほど人と絆を結べない」わけではなかった 「猫に対する見方が変わりつつある」と研究者
次の実験では子猫79匹と成猫38匹を募集し、飼い主と一緒に「安全基地テスト」に参加してもらいました。これも通常は犬に行われるテストで、飼い主が部屋からいなくなった時の反応を観察します。
ある猫は部屋に飼い主が戻ってくるまで2分間で62回鳴き、戻ってくるとすぐに安心して部屋の中を動き回りました。
ミクローシ氏の研究チームがなぜ行き詰まったかにも気づきました。猫は扱いが難しいというのは誤解でした。
「マイペースな猫は飼い主のことなど考えていないと思われがちですが、それはちがいます」
たとえば飼い主のクララと一緒に参加したライラという猫がいましたが、ライラはクララがそばにいるかぎりは果敢に部屋を歩き回って探検しました。つまりクララを完全に信頼しているのです。
「この研究結果が拡散され、喜んでもらえたのは嬉しかったです。これまで考えられていた事実とはちがったということが受け入れられた。猫は本当に社交的な生き物で、行動を研究する価値があります。今ではたくさんの人がそのことに気づいてくれました」
猫はずっと過小評価されてきた
これまで研究予算が犬にばかり費やされてきたもう1つの理由は、昔から犬にははっきりした利用価値があったから。
盲導犬、警察犬、狩猟犬、それにさまざまな種類のセラピードッグ。認知症ケアでも活躍します。しかし実は猫も重要な役割を果たすことが分かっています。
今後は、猫がいかにして飼い主と絆を結ぶのかを研究する予定だそうです。
「猫に対する見方が変わりつつあると思います。猫を飼っている人たちの間でもね。猫を訓練する人、散歩や旅に連れていく人も増えていて。これは新しい現象ですよね。家の外でも一緒に過ごせるんです。猫は長いこと過小評価されてきましたが、今では多くの人が猫の能力に気づいています」
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