「猫は犬ほど人と絆を結べない」わけではなかった 「猫に対する見方が変わりつつある」と研究者
「研究によって、私が前から感じていたことが裏づけられたんです。猫にとって人と交流することはとても大事。私も驚きましたが、猫の50%がエサよりも人と過ごすのを選んだんです。
エサのほうを選んだ猫は30%でした。エサをくれる人間しか好きにならないというわけではなかったんです」
博士と暮らす4匹の猫たち
ヴィターレ博士は普段、ユニティ大学で助教授として動物の行動や健康についての講義を担当するかたわら、オレゴン州立大学で猫の研究もしています。
自宅で仕事をすることもよくあり、そうすると4匹の猫と一緒に過ごすことができます。ふわふわのキジトラ、13歳のメイシーは目が見えません。クリスティンが初めて自分で飼った猫なので特別な存在です。オハイオ州の猫保護施設で働いていた時に出会い、一目で恋に落ちました。
2番目の猫、黒猫のボーは色々な芸を披露してくれるそうです。夫婦でオレゴンに移り住んだ直後に突然、家の前に現れました。
「首の後ろにはひどく嚙まれた痕があり、とてもじゃないけれどドアを閉めるなんてできなかった」
ヴィターレ博士はその猫を獣医に連れていきました。もう後戻りはできません。一緒に暮らし始めました。
3番目と4番目の猫カールとケヴィンは数年前、夏に夫婦でサイクリングをしていた時に溝の中で発見しました。小さなプラスチックの箱に入って子猫が捨てられていたのです。
「そのまま太陽の下に放置するなんて、もちろんできませんでした」
4匹とも家の中で飼っていますが、庭の一部を柵で囲んで出られるようにしています。部屋の中にある猫用の木に登って窓から飛び出し、トンネルをくぐると手作りの猫テントにたどりつきます。そこで草を食べたり、鳥を観察したり。
「どの子も全然性格がちがいます。研究はどれもうちの子たちでもテストしましたが、個体によって大きな差があります。しかし結果としては人間との交流とエサがトップで、その次におもちゃやエサ以外の香りでした」