お見合い当日は、相手の苗字は必ず覚えていき、会話の中に苗字をどんどん入れて話すといい。例えば、「最近、どんな映画を観ましたか?」ではなく、「〇〇さんは、最近、どんな映画を観ましたか?」と、相手の名前を入れて質問する、といった具合だ。
そして、お見合いの後に仮交際に入ると、ここで初めてフルネームが明かされ、連絡先の交換となる。交際になった日かその翌日に、男性から女性にファーストコールをするのが通例だ。
距離感がわからなすぎるお相手
みやこ(33歳、仮名)が、まさる(37歳、仮名)と仮交際に入り、ファーストコールの際に、まさるからこんな提案をされた。
「お互いの呼び方を決めませんか? なんて呼ばれたいですか? 僕のことは、“まさる”と呼び捨てにしてください」
これにみやこは戸惑った。まだ何も知らない男性を呼び捨てすることに、抵抗があったからだ。そこでこう言った。
「では、まさるさんと呼ばせていただきます。私も下の名前の“さん”づけでお願いします」
名前の呼び方は、対峙した相手との関係性で変わる。ビジネスシーンでは、苗字に“さん”をつけることが一般的だろう。上司のなかには、部下の苗字を呼び捨てにする人もいるが、こういうタイプは、“自分があなたよりも上である”という気持ちの強い人だ。
親しい間柄になると、名前に“さん”や“ちゃん”をつけたり、ニックネームで呼び合ったりするようになる。さらに、親友や恋人同士のようにもっと距離が近づくと、ニックネームや呼び捨てをするようになる。
まさるに、「呼び捨てで呼んでほしい」と言われたときにみやこが戸惑ったのは、まだその距離感ではないと思ったからだ。
名前というのは、個人を特定する識別情報であるのと同時に、その人のアイデンティティを示すものだ。なので、会話のなかにたくさん名前を入れたほうが、“あなたに向かって話しています”というニュアンスが強まり、話がより相手に届くようになる。
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