会の設立から3年経って、ようやく謎フードのおもしろさに開眼したぱくさん。自分から謎フードを求めて食べ歩き、候補を見つけたら掲示板にアップするようになっていく。
「いままで経験したことがないものに遭遇するのがすごく好きですね。人を連れて行って反応を見たり、感想を聞いたりするのも好き。食べ物だから、次々に新しいものが出てきて永遠にコンプリートできない。終わりがないのも、謎フードの魅力です」
いちばん納得がいかなかったのは、南米の川に生息する魚「ピラニア」の素揚げが謎フード認定されなかったことだという。

「絶対にこれは謎フードだろうと思ったのに、過半数に達しなくてお蔵入りになっちゃいました。謎の基準は人によって全然違うんです。私は見た目が変わっていればたいてい『謎』に投票しちゃうんですけど、なかには、『おいしいものは謎フードじゃない』という厳しい人もいます」
謎フードが趣味になり、ぱくさんの価値観や活動範囲は格段に広がった。共通の趣味があれば、年齢関係なくつながれることがわかり、年齢で人を判断することがなくなった。
「面倒くさがり」だったが、会員とともにイベントをしたり、同人誌を出したりするようにもなった。謎フードの概念も、ジビエやゲテモノに広がり、いまではユニークな店長や店にまで関心を持って追いかけるようになっている。
「もともとは出不精で、休日は家でゲームやネットをしているタイプです。でも、謎フードの活動を始めてからどんどん変わって、人を集めて外を遊び歩くようになっちゃいました」
過去には「存続の危機」も
気づけば25年が経っていた。
「自分でもびっくりですよね。謎フード公安委員会の歩みは、私の人生の歩みといっても過言じゃありません」

だが、過去には存続の危機が2回あったという。1回目は学校を卒業して就職するタイミングだった。
「社会人になったら忙しくなるだろうから辞めようかなと。利用していた無料のホームページサービスが終了することになり、有料のサービスに引っ越すかどうかを決断するタイミングが重なったこともあります。でも、当時お付き合いしていた彼女が会員で、ホームページのデザインもしてくれていたし、ほかの会員もいたので辞められなかったですね」
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