
サラリーマンが貴重な化石を発見
国内最大級のアンモナイト化石、東アジア最古・エラスモサウルス科のクビナガリュウ化石、国内最古級・新種のサンゴ化石、国内最大級・肉食恐竜の牙化石、鹿児島県初の翼竜化石、東アジア最古のウミガメ化石──。
これらの化石は、すべて1人のサラリーマンが見つけたものだ。
その名は、宇都宮聡さん。新卒で松下電工(現パナソニック)に入社し、現在はパナソニック株式会社エレクトリックワークス社で働いている「サラリーマン化石ハンター」だ。新卒入社以来、フルタイムで勤務し、全国各地への出張や転勤も経験してきた。
なぜ、仕事をしながら恐竜や大型爬虫類の重要化石を次々と発見できるのか。化石採集を始めたきっかけ、趣味と仕事の関係に迫った。
愛媛県出身の宇都宮さんが化石に魅せられたのは、小学校6年生のとき。引っ越し先の香川県高松市で、市が主催する化石採集ツアーに参加した。
それまでも生き物が好きで、捕りにいったり、飼ったりしていたが、生き物はいつか死んでしまう。それが悲しかった。しかし、化石は違った。
「化石なら悲しい思いをせずに生き物と触れ合えるし、機能美という美しさも兼ね備えている。初めて手にしたとき、とてつもない宝物を手に取ったような感動がありました。このときから、もっといろいろな化石を集めたいと思うようになりました」(宇都宮さん、以下同)
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