「子どもたちにとってスポーツは“社会を学べる場”」――古田敦也さんが野球少年の育成に込める思いとは?

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窪田:目に関して言うと、目の成長期である6~12歳くらいのときに外で過ごす時間が増えると、近視になる確率を下げられることが分かっています。極端なことを言えば、たとえ家でゲームばかりしていたとしても、1日2時間の屋外活動ができれば、近視の抑制には効果があるんです。

近視は病気です
(『近視は病気です』より)

私は子どもたちの目のために、できるだけ外遊びの時間を増やしてほしいと啓蒙活動をしているのですが、野球を通して少年たちの育成に取り組んでいる古田さんから見て、子どもがスポーツをするメリットはどんなところにあると思いますか?

子どもたちはスポーツで社会を学ぶことができる

古田:野球は団体競技なので、子どもながらに社会を体験できることが大きいんじゃないかなと思います。僕自身もそれによって成長できたと思うので。仲間がいるから頑張れますし、困っている仲間がいたら助けてあげる。その気持ちが生まれるのがスポーツだと思うんです。

それは、例えば1対1で戦うような個人スポーツでも同じで、コーチや監督、仲間、支えてくれる人たちがたくさんいますよね。そこには社会があります。

窪田:なるほど、スポーツで社会を経験できると。

古田:あとは、スポーツによって得られる仲間の存在も大きいです。よく言いますが、仲間がいればつらい練習は半減されるし、勝ったときの喜びは倍増する。プロ野球でも優勝したら「やったー!」って、大の大人たちがみんなではしゃぐじゃないですか。あそこまでできるのは、仲間と共に戦うスポーツだからこそ。もちろんスポーツには、体を鍛えることで身体的にも精神的にも強くなれる良さもあります。

しかも、窪田先生がおっしゃるように屋外活動が目にもいいとしたら、ぜひ子どもたちには野球をはじめとしたスポーツに挑戦してほしいです。

窪田次回も子どもとスポーツの関係について深掘りしながら、情報が氾濫する社会でSNSとどう付き合っていくか、古田さんのご意見をお聞きしていきます。

(構成:安藤梢)

古田敦也 元プロ野球選手、スポーツコメンテーター

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ふるた あつや / Atsuya Furuta

1965年兵庫県生まれ。立命館大学卒業後、トヨタ自動車入社。ソウルオリンピック日本代表として出場、銀メダルを獲得。1990年ヤクルトスワローズ(現・東京ヤクルトスワローズ)へドラフト2位で入団。捕手として強肩と頭脳を活かした野球で攻守ともにチームを牽引、5度のリーグ優勝と4度の日本一へと導く。日本プロ野球選手会第5代会長。 

2006年にはプロ野球史上29年ぶりとなる選手兼任監督に就任。2007年引退後はスポーツコメンテーターや講演活動でも活躍中。2015年野球殿堂入り、2022年より日本プロ野球名球会理事長。

 

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窪田 良 医師、医学博士、窪田製薬ホールディングスCEO

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くぼた りょう / Ryo Kubota

慶應義塾大学医学部卒業。慶應大医学部客員教授、米NASA HRP研究代表者、米シンクタンクNBR理事などを歴任。虎の門病院勤務を経て米ワシントン大学助教授。2002年創薬ベンチャー・アキュセラを創業。2016年窪田製薬ホールディングスを設立し、本社を日本に移転。アキュセラを完全子会社とし、東証マザーズに再上場。「エミクススタト塩酸塩」においてスターガルト病および糖尿病網膜症への適応を目指し、米FDAからの研究費を獲得し研究開発を進めているほか、在宅医療モニタリングデバイスや、ウェアラブル近視デバイスの研究開発を行っている。

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