「子どもたちにとってスポーツは“社会を学べる場”」――古田敦也さんが野球少年の育成に込める思いとは?

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窪田:それだけレベルが違う人が出てきたのは、日本人にとってはうれしいですね。

古田:彼の場合は、持って生まれた身体性や運動神経があって、それに加えて後天的に努力して体もさらに大きく変化させている。ピッチャーとしてもバッターとしても、間違いなく世界トップレベルです。

大谷選手に続く選手が今後どのくらい出てくるかは分からないですが、少なくともそうした選手が出る確率は、昔よりも上がっていると思います。大谷選手は100年に1人の逸材と言われていますが、もしかしたらそのレベルの選手が10年に1人くらいは出てくるんじゃないでしょうか。やはり野球界においてアメリカに勝つのは昔からの夢ですからね、そうなっていってほしいです。

強くなるためには追い込むことも必要

窪田:野球界では、子どもたちの育成方法は変わってきていますか?

古田:それはもう昔とは全然違いますね。コンプライアンス的な変化はもちろん、より自主性を重視するというか、自由度が高まっています。うまく子どもたちにやる気を出させて、自らが成長する方向へと導いていくようなやり方です。

そうしたやり方が良いか悪いかは実は微妙なところで、スポーツは体力勝負の世界なので、やはりある程度は追い込まないと強くなれない部分がどうしてもある。限界まで追い込むためには、時には厳しい指導が必要なこともあります。とはいえ、そのために暴力を振るっていいということではないですが。

窪田:古田さんの時代は相当厳しかったですよね。

古田:めちゃくちゃスパルタでした(笑)。当たり前のようにグーで殴られていましたからね。今はそんな時代ではないですが、一方で過保護になってしまいすぎるのも心配です。

これだけ激動の時代ですから、社会に出たときに「這ってでも生きていく」くらいの気概がないと、仕事をしたり生活をしたりするのも大変なんじゃないでしょうか。だからこそ子どもたちには、スポーツを通してたくましく、タフに育ってほしいなと思っています。

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